失敗例1
買手が見つからない
売手が優良または中堅規模以上なら、M&Aの買手を見つけるのは容易です。
財務状況が悪かったり、売上規模が小さければ買手も見つかりません。
ハンデがある中で一仲介業者のみに任せるのは、待てど暮らせど結果は出ないでしょう。
会社の賞味期限が短くなるほど、企業価値も落ちていき選択肢=廃業のみとなります。
失敗例2
雇用継続されてもリストラに
責任ある経営者なら、従業員の雇用継続を願うものです。
M&Aで無事事業が継続し、従業員が新会社(買主の下)へ転籍されてもリストラ対象に成りやすいのです。
原因は、
- ●新会社の社風になじめない
- ●間接部門(総務事務)は合理化される
- ●能力の低い社員は選別される
などです。
しかし、売却前にできる対策もあるのでM&A仲介会社を通して買主と交渉することが大切です。
失敗例3
売却がバレてしまう
中小零細企業のM&Aは、秘密裏に行われることが一般的です。
自社が消滅することが従業員に事前に察知されると、士気の低下や退職、時には不正の発生を招きます。
また、取引銀行に相談すると「事業を売却するつもりだ」と警戒される可能性もあります。
しがらみのない中立的な専門家に依頼したい、と思われる方はこの動機が多いです。
M&A売却を匂わせる電話やFAX,メールのやり取り。来客などは控えるべきです。
失敗例4
悪い情報の隠匿
売却価格は売主・買主間の交渉になります。
その折、売却価格を吊り上げようと買主へ悪い情報(例:簿外債務,不良債権,係争,残業代未払等)を隠匿していた場合、後日訴えられる可能性があります。
包み隠さず正確な情報を伝えることが、後日のトラブルを避ける堅策となります。
失敗例5
売り時を見誤る
M&A事業売却の良いタイミングは、ズバリ「経営意欲が無くなったとき」です。
社長の事業意欲が減退すると、成績も下降を辿ります(当然、売却価格も)。
経営状態が悪くなってからでは買手も付きにくくなり、それに付き合う従業員も不幸です。
売りたいと思ったときに、直ぐに売れるものではないのがM&Aです。
ダラダラと続けるより意欲が無くなった事業は早期に整理して、次の事業を始めるのが賢明ではないでしょうか。
失敗例6
全てを売る
M&Aでは、事業の「全て」を売る必要はありません。
例えば先祖伝来の土地の上に店舗がある場合、その店舗だけを売る選択肢もあります。
うわ物だけ譲渡すれば、地代という不動産収入を得ることができますし、買主の資金負担も減ります。